出版流通改革におけるオンデマンド印刷
先日某出版取次から私の業務受託先に「出版流通支援金要請」なる通知が来た。悪意を持って要約すると「今の出版流通を維持するために、その恩恵に預かっている出版社はお金を負担して取次に協力せよ」と言うことだ。これへの協力について殆どの出版社は「しぶしぶ」行っているのだが、私はその取次に ①協力を要請するのであればそのお金で今後どのように変えていくのかを明示するのが当たり前。苦しいから協力しろ、お金の使い道はこちらに任せろ、では協力する気も起きない ②そもそも今の物流を守るというが、こんな不完全な仕組みを守るためなら余計に協力金を払う気はない と突っぱねた。出版業界では「流通改革」というテーマは必ず上がってくるものの、結局最後は「返品を抑える」「定価を上げる」「出版社の取り分を削減し、取次と書店に回す」などの意見が出たまま、誰もまとめられず放置するのが習わしである。そもそも流通改革と言っても「改革」と言うより「保全」の議論でしかない場合が多い。今の取次制度と言うのは出版業界の関係者には非常に楽な仕組みであるから仕方ないのであろうが、議論の前提が「現行の仕組みの維持保全」であるから妙案が出てこず、対処療法的な議論にしかならない。またこれは私の推測であるが、出版業界の関係者が思う以上にユーザーは今の
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