医療崩壊の危機に陥る原因として、よく指摘されるのが、 「我が国は民間病院が多いから」というものです。つまり、行政の指示・命令で動く公立・公的病院とは異なり、政府の要請に従わない民間病院が多いので、すぐに医療逼迫が起きるというのです。確かに、我が国の病院の実に7〜8割が民間病院で占められているのは事実ですが、諸外国の状況も踏まえると、公立・公的病院割合の低さと医療崩壊の起こりやすさの間に明らかな関係はなく、むしろ、その民間病院に病床確保の行政命令ができないことに本質的な問題があると、医療経済学を専門とする鈴木亘氏(学習院大学教授)は話します。今回は、コロナ禍における医療崩壊の危機の謎を解き明かした鈴木氏の最新刊『医療崩壊 真犯人は誰だ』(講談社現代新書)より、民間病院の割合と医療崩壊の関係に迫った部分を抜粋してお届けします。
Source: 現代ビジネス
コメント