インターネット産業に対する中国の徹底的な締め付けにより、ゲームやeコマースなど、かつて人気を博した分野への投資家や新興企業の情熱が冷え込んでいる。しかし、投資家たちは中国でペースを緩めてはいない。2010年代の消費者向けインターネットブームは、Tencent(テンセント)やAlibaba(アリババ)のような巨大企業を生み出した。デジタル化がより伝統的な分野にも広がるにつれ「テック」業界全体でも新たな巨人の誕生が見込まれる。
例えば、Temasek(テマセク)のRohit Sipahimalani (ロヒット・シパヒマラニ)氏は、中国の医療テック、バイオテック、ヘルスケア、サステナビリティなどの分野に「膨大な機会」があると考えていると、日経アジアのインタビューに答えている。これらは「政府の政策に引き続き沿っている」分野だ。
実際、Temasekは最近、これらの分野でいくつかの中国のスタートアップに出資した。眼科・検眼機器サプライヤーのVision X、mRNAベースのワクチン・医薬品を提供するAbogen Biosciences、手術用ロボットを開発するEdge Medical Robotics、自律走行技術を提供するMomentaなどだ。
3月31日時点で、中国はシンガポール政府系企業の最大の投資先であり、3810億シンガポールドル(約32兆円)のポートフォリオの27%を占めている
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