起業家、経営者にとって大事なのは、世の中を見抜く力です。1つの事象をどう捉えるかで、ものの見え方も、そこから得られる情報も大きく変わります。そうした「着眼点」、実はトレーニングによって鍛えることができるのです。累計20万部を超えるベストセラーとなった『戦略思考トレーニング』シリーズでおなじみの経営コンサルタント・鈴木貴博氏に解説してもらいましょう。
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第109回・商品化に10年かかった大ヒット弁当
いきなりですが、クイズです!
東京都葛飾区にある食肉卸会社で実際にあった話です。その会社は20の学校と取り引きがあり、給食用のメニューに合わせて1カ月前から豚肉や鶏肉などを仕入れるそうです。しかし、昨年3月に新型コロナウイルスの影響で突然学校が一斉休校となったことで、大量の食肉を在庫として抱えることになってしまいました。結果的に、社長のひらめきによって売り先を見事に開拓し、倒産を免れたそうですが、さて、どのような取引先を新規開拓したのでしょうか?
クイズの答えの中に、着眼点を鍛えるポイントがある
20校の給食で使う1カ月分の食肉となると、間違いなく相当な量になるはずです。それが突然、在庫になってしまったら、ほとんどの中小企業にとっては一大事で、まさに死活問題でしょう。
しかも、その量を考えれば既存の取引先だけで何とかできるわけはなく、まったくの新規の取引先を
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