クジラのCMから20年。解決しない課題を考えつづけるのが下手な僕ら。
高崎卓馬氏による、公共広告機構(現・ACジャパン)CM 「imagination/クジラ 子供から創造力を奪わないでください」
環境にまつわる仕事をすることになった。本や記事を読み漁ったけれど、肌が理解する前に頭で整理してしまう。無責任な言葉を書いてしまいそうで怖くなって、つてをたどって大学の先生にいろいろと教えてもらうことにした。研究者の言葉は重く、わかりやすく、学びは大きかった。僕が「海洋プラスチックが〜」と聞きかじった情報で質問をしたら、先生は微笑んでひとこと言った。
「その前に、高崎さんは酸性雨ってご存じですよね?」僕はもちろんと答えた。すると「以前、酸性雨の問題は世の中の関心を集めてひとつのブームになりました。それからだいぶ時間がたって今は海洋プラスチックの問題が世界中でブームのようになっています。でも、酸性雨の問題ってあれから何一つ解決していないんです」と先生は淡々と続けた。
ショックだった。広告の仕事は世の中の耳目を集めるのは得意だ。信じられるSocial Goodなことを見つけて、モチベーションを高めて、世界をちょっとでもいい方向にと頭と経験を駆使する。でも先生のそのひとことに自分たちの仕事の無責任な部分を指摘されたようで、言葉が続かなかった。先生は微笑んだまま続ける。「環境の問題って、何かをした
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