武器になる経済ニュース/世界と日本経済大予測
1 武器になる経済ニュースの読み方 高橋洋一 メディアにも露出の高い高橋氏であり、数字に強い経済専門家の一人である。内閣の参謀として雇われるが、コロナは波風というような発言で、世間からの誤解や批判をうけ同職を辞された。オークンの法則では経済成長と失業率は負の相関関係が経験則的にあることがわかっている。非常に当たり前であるが、経済成長率を前年度の差として各国のデータにあてはめたところ、法則といえるレベルまでの相関性が高いことがオークンによって理論化されたものである。国家の責任は、失業率を極限まで減らすということであると述べられているが、逆に言えば経済成長をし続けるという意味である。経済活動(何らかの労働)せずに国家運営する国は存在していないと思われるが、経済学者が考えても、そのような国家運営の仕組みを構築することは困難ということなのだろうか。フィリップス曲線では、物価が上がると失業率が下がるということが経験則的に示される。この高橋氏の根本的な経済に対する向き合い方は、膨大な経済情報を整理・理解したうえで、数値や図表をもとに、経済的事象を分析して、予測するという行為をしているだけに過ぎない。一貫して、数値・データから、多面的な評価をすることに徹しているようにコラム手的な本書を拝読した。 「量的緩和」とは「お金を貸しやすくする」施策について、金利が下がると、より多くの人がお金を借りるよう
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