アスリートブレーンズ為末大の「緩急自在」Vol.3
為末大さんに「いま、気になっていること」について、フリーに語っていただく連載インタビューコラム。唯一、設定したテーマは「自律とは何か、寛容さとは何か」。謎の「聞き手」からのムチャ振りに為末さんが、あれこれ「気になること」を語ってくれます。さてさて。今回は、どんな話が飛び出すことやら…。乞う、ご期待。
──「自律と寛容」をテーマに、さまざまな角度から掘り下げていく本コラム。今回は「ケアレスミス」「ストレス」「コンプレックス」といった、人間が持っている弱点といいますか、ネガティブな側面について伺います。いずれも人間が、特にアスリートが克服しなければならないものだと思うのですが、いかがですか?
為末:そうですね。まず、ミスについてですが、「これが良いことなのだ」ということが明確になっていればいるほど、「何がミスなのか」ということがはっきりする。つまり、目標とか目的がはっきりしていないと、自分が今、ミスをしているのか、していないのかが分からない。
──いきなり、深遠なお話ですね。確かにそうだな。仕事でも、プライベートでも、惰性に流されている間は、ミスをしてる感覚って、ありませんものね。で、気づいたときには「熟年離婚」されていたりする(笑)。
為末:AIが絶対にミスをしないのは、アルゴリズムによる「最適化」に長けているから。つまり
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