アスリートブレーンズ為末大の「緩急自在」vol.2
為末大さんに「いま、気になっていること」について、フリーに語っていただく連載インタビューコラム。唯一、設定したテーマは「自律とは何か、寛容さとは何か」。謎の「聞き手」からのムチャ振りに為末さんが、あれこれ「気になること」を語ってくれます。さてさて。今回は、どんな話が飛び出すことやら…。乞う、ご期待。
──「自律と寛容」をテーマに、前回は主に仕事まわりの話を伺いましたが、今回はその続き、ということで。
為末:最近、感じることは「時間の概念」が変わってきたなーということ。昔の職場って「暗黙知」で回っていたと思うんです。「あうんの呼吸」とでもいうんでしょうか。
──この人は今、きっとこんなことを考えているに違いない。
為末:だったら、先回りしてサポートしてあげよう。みたいな。先輩も後輩も、上司も部下も関係なく、それで職場が回っていた。今はメールやSNSのせいで「空気は読める」んだけど、明らかに「行間が読めなく」なってる。これは、想像力の欠如だけでなく、共に過ごす時間の欠如が原因だと思うんです。
時間を共有できていないから、不安になる。不安なものだから、相手に対する寛容さがなくなっていく。すると、心を平静に保たねば、自律しなければ、という強迫観念が起きる。
──いわゆる悪循環が生まれるわけですね。為末さんは、ご自身の成長
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