CMヒットメーカーは、今のテレビをどう見ている?
テレビCMか。いや、もうインターネット広告でしょう。
広告主のメディア選定において、テレビとインターネットが比較される時代。
広告のつくり手はテレビCMをどう捉えているのか。メディアの多様化でキャンペーン設計が複雑になる今、企業や広告制作者が持つべき視点とは。
5年連続CM好感度1位を獲得したau「三太郎シリーズ」や、トヨタ自動車「トヨタイムズ」など、視聴者が共感するテレビCMを多数手がけている、クリエイティブディレクター(CD)の篠原誠さんに話を聞きました。
「テレビは万能」の時代は過ぎ去ったけど…
四半世紀にわたり、私はテレビCM制作に携わってきました。ひと昔前まで、テレビCMさえ流しておけばマスにリーチできる時代でした。企業はテレビCMにあらゆることを期待していました。
思い出すのは、あるクライアントの広告制作のオリエンテーション…。
新しい商品が出て、15秒のテレビCMを制作することになりました。クライアントは、「その商品の大きさ、デザイン、新しい機能二つ、もちろん商品名もちゃんと印象に残るようにしたい」と言いました。
わずか15秒のCMに、あれもこれもとメッセージを詰め込み、生活者の印象に残るようにするなんて至難の業。頭を抱えたものです。しかし裏を返せば、それだけクライ
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