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イノベーションとしての「いいね!」と模倣の原理

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本連載では、書籍『SNS変遷史「いいね!」でつながる社会のゆくえ』(イースト新書)の出版を記念して、その一部内容をダイジェスト化してお届けします。

第1回:三大SNSの特性と支持を得た理由

第2回:SNSで情報を探す時代へ:「ググる」から「タグる」へのシフト

今回は、私たちの価値観に大きな影響を及ぼしたSNS発の「いいね!」が持つ意味合いについてたどりながら、SNS上での情報行動を考える上での最重要概念としての「模倣」の効果について考察します。

なお、次回は本稿の後半パートに当たるので、併せて一読いただければ幸いです。

イノベーションとしての「いいね!」

筆者は、2000年代最高のイノベーションの一つは、「いいね!」だと思っている。そう、Facebookの親指を突き立てたマークで、シェアされたものへのリアクションでありリワードである。

イノベーションという言葉の原義は「技術革新」だが、ここでは「社会や人々の生活に不可逆的な変化をもたらす価値創造」のこととしたい。主語はテクノロジーや経済効果ではなく、あくまで私たちにある。不可逆とは、つまりそれがなかったような状況に戻るとは考えにくい変化のこと。また、ポジティブな価値を創造していることを含意する。私たちは、もう「いいね!」なき世界には戻れないのだ。

「いいね!」をめぐっては、

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