金融業界で求められる高度IT人材、「クオンツ」の仕事とは?
優れたプログラミングスキルやアルゴリズム開発能力を持つ「高度IT人材」は、今やIT、非ITを問わず企業の成長に欠かせない存在です。本連載では、競技プログラミング界のキーパーソンであるAtCoder社長 高橋直大氏とともに高度IT人材の育成・採用について考えてきました。
今回は「金融業界」での高度IT人材の活躍に着目。野村ホールディングスの瀧川孝幸氏、野村證券の相澤比氏を訪ね、金融ビジネスにおけるIT技術の役割や、事業成長との関係について聞きます。
左から野村ホールディングス 未来共創推進部 企画調査課 課長 瀧川孝幸氏、野村證券 マクロ・トレーディング部クオンツ開発課 アソシエイト クオンツアナリスト 相澤比氏、AtCoder代表取締役社長 高橋直大氏
金融ビジネスはデータビジネスである
高橋:相澤さんは、野村證券でクオンツ開発課に在籍するクオンツアナリストだそうです。そもそも「クオンツ」とは、何でしょうか。
相澤:クオンツは、「Quantitative」(数量的、定量的)から派生した言葉です。数学的手法を用いて市場動向を分析したり、金融商品の開発や投資戦略を行ったりすること、もしくは人を指します。一般的にはなじみが薄いかもしれませんが、金融業界には欠かせない専門職です。
瀧川:当社には、統計学や数学、情報科学の手法を
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