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小売は、個人技からチームプレーへ

昨今の社会情勢により、多くの商業施設が休業に入った。 店を閉めたリアル店舗は、一時的にオンラインに活路を見出そうとする。 結果的に、ブランドにとっての未来を考えた時に、半ば強制的にオムニチャネルと向き合う事態となった。 オムニチャネルは、顧客が目的やライフスタイルにあわせて、商品の選定や受取の際に、オンラインとオフラインを使い分けることができるインフラのことである。実店舗とECがそれぞれ独立しているマルチチャネルや、実店舗とECで在庫データ等を共有するクロスチャネルの進化モデルとされている。 顧客にとってはメリットの多いオムニチャネルも、課題は多く、成功事例はまだまだ少ない。 オムニチャネル化が進まない背景には、導入する労力に対して、効果が見えにくいことということがある。 オムニチャネルは実店舗とECの融合を目指しているが、既存事業では実店舗とECは別の部署の場合が多く、リーダーの強い意志がないと統合が進みにくい。 これまでは、無理をして統合しなくても、事業を続けることは可能だった。 しかし今回の騒動により、リアルでの販売が制限され、オンラインとオフラインの統合の必要性が浮き彫りになり、これからの顧客体験にとって、オムニチャネル化は避けて通れない段階になった。 これから生き残るのは、オムニチャネル化に正面から取り組み、オンライン・オフライン共通の明確な世界観を持ったブランドである。

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