分子相互作用を解明するという複雑なタスクを、長い間クラウドソーシングによって運営してきたFolding@Homeプログラムが、大きな節目を迎えている。多くのユーザーが新規登録して自身のコンピューターの演算パワーの提供を始めたからだ。ネットワークが現在提供する計算パワーは「エクサフロップ」に達した。これは1秒あたり100京(1,000,000,000,000,000,000回)の演算を行えるということだ。
Folding@Homeが始まったのは約20年前。このプロジェクトは多大な計算量を要求する問題を適当な大きさに分割し、個々のコンピューターに割り当てる手段を提供するために登場した(現在は休眠中のSETI@Homeが切り拓いた、斬新な方法だった)。これはいわば、世界中に分散しているスーパーコンピュータに相当する。計算を一気呵成に行う「本物の」スーパーコンピューター程は効率的ではないものの、複雑な問題を短時間で処理することが可能だ。
セントルイスのワシントン大学の研究グループによって管理されているこのツールが対象としている問題は、タンパク質の折り畳み問題(Protein Folding)である。タンパク質は私たちの体を機能させている多くの化学構造物の1つであり、それらは比較的よく理解されている小さな分子から、本当に巨大なものまでさまざまなものが存在している。
タンパク質の性質は、温度、
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