環境問題に対する経済学的アプローチ①
私たちの経済はここ数百年で飛躍的な拡大と経済の成長を果たした。1800年ごろには約10億人であったと推計される人口も、現在では70億人を超えている。日本のGDPもこの200年で120倍以上の増加を見せている。 その一方で、様々な問題が生じている。我が国では国債や借入金を合計した「国の借金」が1,100兆円を超え、一方で少子高齢化問題やワーキングプアをはじめとする労働問題が発生している。 移民問題や食糧問題等、国際的な取り組みが必要とされる課題も山積している。環境問題もその一つである。石炭や石油の使用と共に空気中の二酸化炭素濃度の急速な上昇が続いており、竜巻や干ばつなどの異常気象の発生数は近年増加傾向を強めている。 人類が環境に与える影響度や破壊度を表す指標として、エコロジカル・フットプリント(EF)と呼ばれるものがある。これは、ある時点のペースで人々が消費する自然の資源の提供と汚染の排出を吸収するために必要な土地面積を表している。WWFジャパンの調査によると、2018年の地球のEFは地球1.7個分であった。これは、2018年の生活(経済活動)を続けるには、地球約1.7個分の面積(資源)が必要である事を意味する。さらに換言すると、地球が一年間に生産する資源や吸収される汚染を約7か月で使用・排出しているということを意味する。現在のペースで経済活動を続ければ、最終的には社会の生産力や生
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