3月18日、ホワイトハウスの記者会見の冒頭でトランプ大統領は国防生産法を発動したことを確認した。今週に入って新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行と戦うために大統領はこの法律を用いるべきだとする声が各方面から強くなっていた。
この法律は米国が冷戦の最中だった1950年に制定されたもので、大統領は企業に対し国防のために必要な契約または措置を命じることができる。また必要な生産を可能にするために資産の徴発、労働争議の仲裁、賃金や価格の管理などの広範な権限を大統領に与える。
この法律が発動された理由の一部は、防護マスク、手袋、人工呼吸器など新型コロナウィルスと戦う最前線の医療スタッフが必要とする基本的物資が米国全体で不足しているからだ。記者会見で記者側から指摘があったように、医療施設は数週間前から人工呼吸器が不足し始めており、重大な事態が迫っていると警鐘を鳴らしていた。また今週に入るとマスクに関する状況が悪化していることがたびたび報じられた。使い捨てマスクを再利用したり、マスクを自製したりするなど、リスクの高い間に合わせの手段に頼らざるを得ない医療スタッフが増えているという。
トランプ大統領は次のように述べた。「この法律を発動したのは、まずマスク(の生産)のためだ。信じられないほどの数のマスクが必要とされる。数百万個が発注済だがさらに数百万個が必要だ。まさかこれほど多数のマスク
コメント