超高齢社会の課題解決ビジネスのヒントを探る!
本連載「超高齢社会の課題解決ビジネス」では過去2回、課題解決ビジネスの重要性とビジネスの発見の仕方、開発の仕方について説明してきました。連載第3回では超高齢社会の課題解決ビジネスの具体的な事例についていくつかご紹介したいと思います。
難聴者でも聞こえやすい音のバリアフリー
左から、ミライスピーカーを前に宮原信弘副社長、山地浩社長
最初にご紹介するのは、「体の変化」に対応した商品のケースです。聞こえづらい、忘れやすい、疲れやすいなど、加齢とともに訪れるさまざまな身体機能の低下はいつか誰にもやってきます。できるだけ長く自立生活を続けたいと、多くのシニアは日々、食生活や健康に留意します。しかし、それもかなわず、日常の生活に不自由を感じる人々も一定程度生じます。
例えば、「聞こえづらさ」について。現在聞こえに何らかの困難を抱える方は国内で1400万人存在するといわれています。聞こえをサポートする機器としては補聴器がありますが、装着感が気に入らない、うまくチューニングできないなどで、実際の利用者は14%程度といわれています。
「ミライスピーカー」は、そんな難聴者の聞こえづらさを解消してくれるスピーカーです。これは、「蓄音機の出す音は難聴者に聞こえやすい音だ」という話を元に開発されたカーボン素材などを使った曲面形状のスピーカーです。距離が離れた
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