オーストラリアの山火事、人工知能、ゴーン逃亡、Google、スレイマニ殺害、スターリンク、トランプ大統領、TikTokなど。世界はそこら中から溶岩が噴出する火山地帯のように思える。思いがけない突発的な事態もあれば、密かに関連あるものごともある。故・ホーキング博士が複雑さの世紀と呼んだのは理論物理学の状況だったが、テクノロジー、社会、地政学その他にも広く当てはまる。
そこでこう言い換えてもいい。我々は複雑さをどのようにして測るのか?マサチューセッツ工科大学のセス・ロイド教授は論文で「最近、世界は複雑さを増してしているが、複雑さを測る方法はさらに急速に複雑化している」と述べている。ロイド教授は複雑さの計量にあたって直面する困難さを定義、創造、組織という3つのカテゴリーに分類した。この3つの物差しを利用して社会やテクノロジーの複雑さがどうなっているのか眺めてみると、あらゆる側面で複雑さが増大していることがわかる。
ともかく複雑さというのは我々の敵だ。誰でもいいから専門家に尋ねてみるといい。セキュリティ専門家とかスティーブ・ジョブズの霊魂とかもいいかもしれない。複雑な問題に対する解決は常に短期的であり、長期的にはさらに大きい複雑さを作り出している場合がほとんどだ。しかし人間の理解力には限界があるから、問題の複雑さがある程度以上になると業を煮やして単純化を図る。その結果致命的な判断ミスを犯す
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