(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
米国のトランプ政権が、米国内に駐在する中国人外交官の行動を厳しく規制する措置を打ち出した。米国のこの対応は、東西冷戦時代にソ連に対してとった厳しい措置と似ている。
米国が中国を敵性国家と位置づけ、いよいよ全面対決の姿勢を明示した動きとして注目される。
米国外交官の活動を規制する中国
10月16日、米国務省は同省報道官を通じて、米国に駐在する中国の外交官が米国の政府職員や地方の州、市などの地方自治体の職員と面会したり、米国の大学や研究機関を公式訪問する際には、米国務省への事前の通告を必要とする新たな措置を発表した。
米中両国が1979年に国交を樹立して以来、米国は在米の中国の大使館や領事館の外交官に対して、この種の規制を課したことはなかった。今回の措置は、対中政策が新たな段階に突入し、米中関係が公式に「米中冷戦」とも呼べる状態になったことを示している。
10月17日、国務省で中国を含む東アジア・太平洋問題を担当するデービッド・スティルウェル次官補は、「この措置の最大の目的は、在米の中国外交官の活動を抑えることではなく、中国に駐在する米国外交官の活動に対する中国側からの規制や妨害を減らすことにある」と説明した。つまり、中国政府の在中米国外交官への処遇に対抗する措置だというわけだ。
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米国が新次元の対中政策、中国をソ連と同じ敵性国に — 古森 義久
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