「緊急放流、八ッ場ダム…今こそ「治水」を語ろう」において、気候変動により洪水・渇水リスクが増加する将来予測に対して、ハード・ソフト両面であらゆる治水対策を検討する必要があると論じ、各面から様々な評価をいただきました。
ただ、話が広範にわたり、緊急放流について理解がし難かったとの声もお聞きしました。また、一部の政治家のかたがネットで炎上したように、緊急放流が直ちに危険なものだと錯覚している方も少なくないようです。
そこで、発端となった記事を書かれた都議会議員の川松真一朗氏とも議論をし、さらに詳細に緊急放流を含め、ダム操作について説明した方がいいとの結論に至り、改めて筆を執りました。
台風19号で緊急放流された茨城・竜神ダム(常陸太田市観光物産協会HPより編集部引用)
上記リンクの投稿でも述べましたが、「緊急放流」は、専門的には「特例操作」と呼び、以前は「ただし書き操作」と呼ばれていました。
「ただし書き操作」と呼ばれていた理由は、各ダムの操作規則で「ただし、気象、水象その他の状況により特に必要と認める場合」は通常ルールの限りではないと明記されているためです。
基本的にこの操作はダムの満水位(ダムが安全に水を蓄えられる最大貯水量)を超えないようにコントロールすることを意味します。
出典:「既存ダム群の洪水調節機能の向上」
図は過去の洪水時のダムの操作を時系列に示したものです。
赤いライ
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