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製造委託先から訴えられた「空調服」はいかにして自社商品を守ったか | 竹内謙礼の一筆啓上


型番商品や仕入れ商品は価格競争に陥りやすい。しかし、オリジナル商品を作るために工場を構えるのは、小さな会社にとってリスクが大きすぎる。そこで最近注目されているのが製造委託という手法である。考えたアイデア商品を大量生産できる製造元に発注し、完成品を納品してもらい、ネットショップで販売する方法が人気だ。
「仕入れ商品なんかやめて、オリジナル商品をバンバン売るぞ!」
そんな構想を思い描いている人も多いかもしれない。しかし、もし、何年もかけて育てたヒット商品が、ある日突然、製造を委託している会社から「その商品はうちの会社のものだから真似しないで」と訴えられたらどうだろうか? にわかに信じられないような話だが、実はそんな恐ろしい訴訟問題が、今、Eコマース業界をザワつかせている。

製造委託先が開発元を提訴
まず事件の概要を簡単に説明したい。問題になったのは「空調服」。夏の工事現場でよく見かけるファン付き作業着といえば、みなさんご存じの商品だと思う。
これを「うちの会社が元祖だ」と不正競争防止法で訴えたのが、広島県福山市の作業服メーカー「株式会社サンエス」という会社である。会社概要によると2018年の売上高は連結で288億円。従業員数約700名の大企業だ。
一方、訴えられたのは東京都板橋区の「株式会社空調服」。求人サイトの情報によれば2017年の年商は23億円。従業員数14名の零細企業

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