石破茂氏による「国際法における『軍』など」と題された記事を見た。憲法改正をめぐる議論もかなり行き詰まってきたな、と感じる。自民党の中ですらこの状況なのだから、憲法改正の可能性は低いと見積もらざるを得ない。
石破氏総裁選特設サイトより:編集部
石破氏は、「自民党総務会において正式に党議決定された自民党案」に固執する。正直、この野党時代の自民党の「自民党案」こそが、改憲反対派に勢いを与えてしまっている代物である。
石破氏は、次のように述べる。
「『軍』は本来、三権以前の自然的権利である自衛権を体現する。よって、国内法執行組織である行政と同一ではない。ゆえに「文民統制」と言われる、国民主権に依拠した司法・立法・行政による厳格な統制に服さなければならない」
これが国際的な常識であり、国際社会においては至極当然のことなのです。我が国の憲法はこの国際的な原則をまったく無視して作られています。「自民党案」が提起しているのは、すでに我が国に定着している「自衛隊」のあり方を、このような国際的な原則に合致できるように改正しよう、ということなのです。
石破氏は、「三権以前の自然権的権利である自衛権」という特異な概念が「国際的な常識」だと主張する。大変な主張である。これは少なくとも説明を施すべきである。しかし石破氏は何も根拠を示さない。
国連憲章51条は「個別的又は集団的自衛の固有の権利(inherent
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