伝統的な出版の世界は、デジタル革命の猛襲に見舞われてきた。タブレットやスマートフォンが急増し、そこで視たり遊んだりできるコンテンツが充実したこともあり、娯楽としての読書は大幅に数を減らしてしまった。その一方で、アマゾンは出版の経済学を変革しようと先陣を切った。その結果、本の売り上げによる利益も、出版社と作家への報酬も、電子書籍の宇宙では利ざや縮小に追い込まれた。
ベルリンを拠点とするスタートアップであるInkitt(インキット)は、この流れに対抗しようとクラウドソーシングによる出版プラットフォームを構築した。同社は、今の世にでも、適切なかたち(下で詳しく解説するが)で提供すれば、読書が楽しめる余地があると信じている。そして米国時間8月28日、今日までの成功を裏付けるように1600万ドル(約17億円)の資金調達を発表した。現在インキットは、160万人の読者、11万人の作家を有し、35万本以上の小説がアップロードされたコミュニティーを形成している。今年の初めにローンチしたGalatea(ガラテイア)という新しいひと口サイズの没入感あふれる読書アプリによるランレートは600万ドル(約6億3600万円)とされている。彼らの野心はこれに留まらない。
その野心とはどれほどのものなのか?インキットの創設者でCEOのAli Albazaz(アリ・アルバザズ)氏は、目標は21世紀のディズニーを作るこ
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