日本経済新聞に今年1月、「重役にしてはいけない人」という記事がありました。そこでは先ず、「会社の取締役や監査役といった名前が欲しいだけの人」「いい人だが能力がない人」「会社を私利私欲のための手段とする人」、の3点を渋沢栄一翁の名著『論語と算盤』より挙げて指摘しています。
そして最後に筆者は、「自分と異なる意見を持つ人間を排除する人」「学ばない人」「周囲の人を大切にしない人」、の3点を上記に付け加えたいとしていますが、私に言わせれば、それら全ては渋沢翁による3点の中に包含されているように思われます。
「自分と異なる意見を持つ人間を排除する人」も「周囲の人を大切にしない人」も、「会社の取締役や監査役といった名前が欲しいだけ」で「会社を私利私欲のための手段」として考えているのでしょう。つまり本当に会社のためを思い考えて、公のため何とかプラスになる事柄をやろうとすれば、当然人を「排除する」とか「大切にしない」ということにはならないからです。
公に奉ずるとは、結局のところ上であろうが下であろうが同じです。しかし、上には上の役目があります。安岡正篤先生も『東洋宰相学』の中で、「リーダーとなるべき者が読んで実行すべきものとして」推奨されていますが、重役の在り方というのは、佐藤一斎の『重職心得箇条』(文末参照)に尽くされていると思います。
また、「学ばない人」が「能力がない」のは明らかですが、重役
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重役というもの
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