子供たちの知育に役立つ材料を常に探している筆者にとって、実に興味深い書籍が出た。「経済で読み解く日本史 文庫版5巻セット」(飛鳥新社、著者:上念司氏)である。著者の上念司氏は弁論部で鍛えたトークが魅力で、情報活発に情報配信している経済評論家である。
【数量限定】経済で読み解く日本史 文庫版5巻セット
「経済で読み解く日本史」(以下「読み解く」)のコンセプトは「お金の流れがわかれば歴史がわかる」(裏表紙より引用)ということである。確かに、例えば大英帝国の盛衰理由などは、経済的な観点を持たないと訳が分からない。コンセプトは非常に興味深い。そこで、この本も早速「大学受験に役立つか」という観点から検証してみた。
検証手順:
1:東大入試問題(日本史)の解答例を作成し、必要情報を抽出する。
2:情報量(網羅性)を検証する。「読み解く」に記載された情報から解答に必要な情報の網羅性を検証する。比較対照資料として山川日本史(市販本)も同様に検証する。
3:情報の質(因果関係等論考)を検証する。問題のテーマに関する因果関係など、単なる知識ではなく構造的な論考の深さを比較検証する。
手順1:検証に利用した過去問と解答例
(過去問は本文を要約し、問題中の提示資料は省略した。解答例は模範解答を参考にした。)
【2019年度 東大文科前期】
日本史第4問
設問A 第一次世界大戦期の機械工業の活況はなぜ
コメント