アメリカが中国を為替操作国として認定しました。心理的節目の対ドルで7元を超える元安になったからです。これに対して為替操作国に指定された中国の中央銀行である中国人民銀行はその翌日、中心レートを6.9683元と比較的元高気味に設定しましたがそれは中国としても過度の元安は非常に困るからでありましょう。
私には中国が今回、為替操作をしたというより、中国元の防衛を放置したか、管理を緩めたのではないかとみています。つまり、為替は為替に聞け、ぐらいのつもりでトランプ大統領が撒いた種をなぜ、中国政府が支えなくてはいけないのだ、ぐらいの論理だろうと思います。
ただ、7元を切るのは「劇薬」だということは中国もよくわかっているはずです。それは中国の資本流出が加速し、国内金融市場が制御できなくなる可能性を秘めているからです。そうなれば中国人の海外での消費にも更なる厳しい制約を課すことも考えられます。よってフリーフォールしないよう、結局、元の下落を防止する「為替操作」せざるを得ないことになりそうです。
世界経済において為替というのは基本的に自由な市場の中で需要と供給で決まるようになっていますが、通貨供給量の差によりβ(ベータ)値が違うため、弱小国の通貨の振れ幅はより大きくなる傾向があります。一方で輸出に頼るβ値の高い新興国は為替の急激な変動は輸出の利益を一気に吹き飛ばすほどの脅威となり、なるべく安定した為替
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リブラを利する通貨安競争
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