日本に戻り、講演をする機会が増えた。がん診断・治療開発、プレシジョン医療、個別化医療、人工知能ホスピタルなど、多岐にわたって取り組んでいるので講演依頼が多いのかもしれない。
自分たちの取り組んでいる研究、内閣府でリーダーとして行っているプロジェクトを多くの方に知っていただく上で必要なことだと考え、アカデミアや患者団体からの依頼であれば、都合のつく限り引き受けることにしているが(もちろんお断りするケースも少なくない)、研究会と称するものの一部に、納得のいかない仕組みが存在している。
講演と言っても、対象とする聴衆は、自分の研究分野の方々、大学・公的機関の研究者、患者さんや家族の方々、一般の方など多種多様であるので、私の場合、専門的なレベルから一般の方にもわかりやすいような資料を5段階で準備している。
これは結構大変だし、当然ながら、和英両方のプレゼン資料の準備を日常から継続的にしなければならない。しかし、多くの方に知っていただくことなくして、自分の技術や考え方が広がっていかないのは歴然たる事実だ。
もちろん、大学の先生方から、自分たちの主催で行う研究会での講演を依頼されることも少なくない。それでも、最近、介在する人たちの態度が腹立たしくて、引き受けていた講演を、申し訳ないと思いつつ、二度続けて断ってしまった。アカデミアの研究会と思って引き受けたところ、あとから、製薬企業が出てきて、私
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