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「広げる」と「掘る」、タイムパフォーマンス視聴の背後にある二つの情報行動

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前回 は、視聴者が「可処分時間(自分の判断で自由に使える時間)に対する満足度」の最大化を追求する「タイムパフォーマンス視聴」(タイパ視聴)の実態について明らかにしました。

今回はビデオリサーチと電通が共同で行ったビデオエスノグラフィー(許諾を得た被験者の家庭内にビデオを設置して行う)調査の結果を分析しつつ、宅内においてテレビとスマホ、そしてリニアサービス(テレビ放送など、決められた時間の流れに沿ってコンテンツを閲覧)とノンリニアサービス(VOD〈Video on demand〉など、視聴者側の要求に応じてコンテンツが配信される)がどう使い分けられているのかを見ていきます。

テレビ好きの家庭でリニア/ノンリニアの利用実態を探る



子どものころからテレビが絶えず流れている家庭で育ったというAさん。今も家にいる間は、ずっとテレビをつけっぱなしです。映像視聴時間は、平日で482.3分、休日は518.0分に及びます。

テレビ視聴コンテンツはリアルタイム放送(リニア)が中心ですが、パソコン、スマホもよく利用しており、スマホでYouTubeやニコニコ動画など、ノンリニアな動画も見ています。リニアとノンリニアの使い分けを観察するのに適したご家庭といえそうです。

■他者と関心の共有が得意なテレビ

Aさん宅では、テレビは居間の作り付け家具に配置され

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