>>>連載①「MMTを基盤とする経済政策の問題点について」はこちら
>>>連載②「MMTとインフレの問題」はこちら
一部に「日本の現状はMMTの成功例」とか「アベノミクスはMMTとほぼ同じ考えだ」といった意見もあるようなので、現在の政府・日銀の経済政策とMMTとの違いを整理してみましょう。
ケルトン氏(Wikipedia)と安倍首相(官邸サイト)=編集部
一般的なマクロ経済運営手法とMMTの違い
日本における一般的なマクロ経済の一般的なコントロール手法は
政府が財政政策(財政出動)を通じて不況時に景気を活性化させます。
日銀は金融政策(短期金利)をコントロールし、景気を刺激したり、物価を安定させます。
為替レートは変動相場制を採用しているものの、国際協調が欠かせないので、大幅な変動を抑え、かつ為替レートが経済実態から大幅にかけ離れないようにすることが求められ、必要に応じて為替介入を財務省(=政府)がおこないます。
基本的な政策上の目標は経済成長率をプラスに維持することで、いわゆる「好景気」の状態を保つこととされています。これにそもそもの潜在的成長率の底上げ、失業率の低下、格差の是正などの目標が付加されます。(※1)
経済学のアプローチから見ると
政府による財政政策は完全雇用の達成を目的としながら、過度な財政赤字が発生しないように注意する。
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