SpotやAtlasといったロボットの敏捷性には目を奪われるが、一体では汎用性は低いものの適応性の高い集団として活動できる超小型のシンプルなロボットにも、それなりにメリットがある。この「Tribot」(トライボット)は、アリをモデルに開発され、本物のアリと同じように、障害物をチームワークで乗り越えることができる。
スイス連邦工学大学ローザンヌ校(EPFL)と大阪大学によって開発されたTribotは、超小型、軽量でシンプルなロボットで、アリと言うより尺取り虫のような動きをする。しかし、必要とあらば障害物をジャンプで跳び越えることもできる。このロボット本体とシステムは、歩行と跳躍を使い分け、(他のアリと同様)探検アリ、働きアリ、リーダーアリの役割を流動的に担うアギトアリをモデルにしている。個々のロボットはそれほどインテリジェントではないが、集団としてコントロールされることで、知的な能力を発揮する。
集団行動の例として、複雑な地形のある地点から別の地点に渡る場合が考えられる。探検アリが先を行き、障害物を探知し、その位置と大きさを残りのメンバーに伝える。するとリーダーは、働きアリ部隊を送り出し、障害物の除去を行わせる。除去できないときは、探検アリはジャンプして障害物を跳び越えようと試みる。それに成功したなら、遠隔測定情報を後方のメンバーに伝え、全員が同じように跳び越えられるようにする。
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複雑な地形も群で突き進む「ありんこ」ロボット
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