中国共産党の宗教弾圧が激化してきた。キリスト教会の建物をブルドーザーで崩壊させる一方、新疆ウイグル自治区ではイスラム教徒に中国共産党の教え、文化の同化を強要し、それに従わないキリスト信者やイスラム教徒を拘束。「神」とか「イエス」といった宗教用語を学校教科書から追放するなど、弾圧は徹底している(「中国の監視社会と『社会信用スコア」2019年3月10日参考)。
「逃亡犯条例改正案」の廃案を要求する香港国民(2019年7月1日、doctorho/flickr:編集部)
習近平国家主席がなぜこの時に入って宗教弾圧を強化してきたかについて、2点考えられる。①中国全土で国民の間に宗教が覚醒してきたこと、②パンを与える国民経済政策が世界第2の経済大国まで発展し、一応成果を上げたことだ。そこで中国共産党政権は本来の「パンのみの世界」の徹底化に乗り出したきたといえるわけだ。
宗教の台頭についてはこのコラム欄で何度か報じたから、今回は中国共産党政権の目標である「パンのみの世界」について少し考えてみる。ここで「パン」とは、人間の基本的生存に必要なものの総称を意味する。いかなる哲学者、宗教者も自身の生命を維持するためには「パン」が必要となる。断食や禁欲生活をしながら高尚な天上の世界を地上で説いたとしても、地上で飢餓に苦しめられたならば、幸福とは程遠い。
イエスは2000年前、このテーゼを第1の試練として対
コメント