G7は存在感もなし
大阪で開かれた主要20か国首脳会議(G20)が終わりました。世界人口(75億人)の6割、GDP(85㌦)の9割を占めるとあって、首脳が勢ぞろいして記念写真を撮ると、会場は所狭しでした。世界を主導した時期もあった米日欧・先進7か国首脳会議(G7)の存在感は薄くなりました。
新華社より引用:編集部
それでは10年前から開かれているG20の時代がきたのかというと、そうではありません。会議に合わせて開かれた米中首脳会議が最大の焦点になりました。「貿易協議は再開する。米国は制裁関税の対象を拡大しない」で歩みより、とりあえず関係国はほっとしました。
関心のマトは米中、つまりG2です。G2とはいうものの、経済的な相互依存関係はあっても、政治的な信頼関係はまるでない。協力して世界主導する気持ちはなく、中国は覇権を握ろうとし、米国は防戦する。その過程で、G2が地球、世界を分割する傾向が強まっていくと、考えるべきなのでしょう。
米中100年戦争の予告
G20会議をめぐりメディアに登場した多くの論評で、私が「そういうことなのか」と、強く印象づけられたのはファイナンシャル・タイムズ紙の論者、マーティン・ウルフ氏の指摘です。米国の国家戦略について「対中100年戦争の愚」(6月7日、日経朝刊)という見出しの記事です。
ポンぺオ国務長官、キシンジャー元国務長官らが出席した非公開の国際会議の議
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