厚生労働省が5年に一度実施する公的年金制度の「財政検証」の公表が遅れている。「年金の財政検証『参院戦後」の見方』という記事が6月4日付け日経新聞に載っていた(リンク先は有料会員)。
たくあんとくもり/写真AC(編集部)
「検証は将来の年金額が少子化で先細りする結果になる公算が大きく」「財務省の幹部は検証結果を見据え、『選挙前に公表しても(政権にとって)いいことはない。マイナスの影響の方が大きい』と話す。」そうだ。かなり厳しい結果が出てきそうだ。
この厳しい結果を踏まえて金融庁が3日に「人生100年時代、公的年金制度に頼った生活設計だけでは資金不足に陥る可能性」と発表したのだろう。
先の記事では「高齢者に払う年金の原資を『仕送り』する現役世代が少子化で減っていくためだ」としている。政府は年金の「持続性の危機」を「少子化のせい」にしたいだろう。そうすれば、世論は、何となく「仕方がない」となるだろうからだ。しかしそれは責任転嫁だ。
年金悪化の主たる理由は政府の経済政策の失敗だ。世界最大の財政出動(=財政赤字が世界最大)なのに30年来で日本の経済成長は断トツのビリ。低迷経済成長の結果は株価にも表れる。30年前の1989年末のNYダウは2753ドルだが今や25,983ドルで9.4倍。一方、日本株は当時38,915円、現在20885で約半分。人口が減ったとしても米国のように年金が10倍の運用が
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