「仕事をし続けて疲れませんか」と聞かれることがある。しかし、僕はゆっくり休む方が、かえって疲れてしまう。何より、日本は今後どうなるのか、どうすべきなのかを考えると、休んでなどいられないと思う。
先日、『殺されても聞く』(朝日新書)という本を出した。ぶっそうなタイトルだが、相手の地位も関係なく、保守かリベラルかも右翼や左翼もおかまいなしに、遠慮なく正面から議論してきた、という意味である。僕が彼らにぶつけた問いは、つまるところ、「日本という国を、この先いったい、どうするのか」という一点だ。
これまで議論してきた人は、ゆうに1万人は超えるだろう。そのなかでも、田中角栄さんや中曽根康弘さん、小泉純一郎さんは印象に残っている。財界では、松下幸之助さんや盛田昭夫さん、稲森和夫さんだ。三島由紀夫さんも忘れられない。
田原氏公式写真、官邸サイトより:編集部
『殺されても聞く』では、60年近い僕のジャーナリスト人生において、特に印象深い人物との生々しいやり取りを回想した。たとえば安倍晋三首相だ。僕が安倍首相に、「北朝鮮が攻撃してきたら、どうするのか?」と聞いたところ安倍首相は、率直に「困る」と答えたのだ。
僕が重ねて、「困るのはわかる、どうすればいいんだ?」と安倍首相に問うと、「田原さん、どうすればいいと思う?」と逆に聞いてきた。僕は驚きながら、「そんなことを、誰も言わないのか?」と聞くと、「誰も言
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「殺されても聞く」精神でインタビューしてきた大物とのオフレコ回顧録
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