私が私淑する明治の知の巨人・安岡正篤先生は、「我々は悪を除くには急進的で、善に対しては保守的でなければならぬ」と述べておられます。前段に関しては文字通り、悪を除去すべく直ちに行動を起こし、一刻も早くそれをやり遂げようとする強い意志を持たねばならない、ということでしょう。本ブログでは以下、後段につき私が思うところを簡潔に述べて行きたいと思います。
結論から申し上げれば、こと善に対しては慌てて自己宣伝の如く売り込むのではなく、自然とそういう流れが出来、自然と伝わって行く中で善行をすべきである、というふうに理解したら良いのではないでしょうか。それは安岡先生が、人生を健康に生きて行く上で大事な三つのこと、「心中常に喜神を含むこと」「心中絶えず感謝の念を含むこと」「常に陰徳を志すこと」として、陰徳を積むことを挙げておられます。
此の「常に陰徳を志す」とは、「絶えず人知れぬ善いことをする」ということであります。「俺は世の為人の為に、之だけのことをしたんだ!」と言って回るのでなく、誰見ざる聞かざるの中で世に良いと思う事柄に対して一生懸命に取組むのです。安岡先生は御著書『運命を創る』の中で、「何か人知れず良心が満足するようなことを、大なり小なりやると、常に喜神を含む(…どんなに苦しいことに遭っても、心のどこか奥の方に喜びを持つ)ことができます」と言われますが、正にその通りだと思います。
また、陰徳
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常に積善を志す
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