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言論アリーナでは元日銀理事の早川英男氏と「長期停滞」について考えたが、おもしろかったのは、彼が「主流派経済学者の財政政策提言は日本には当てはまらない」と批判したことだ。彼らが基準にしているのは、2008年以降の世界金融危機の前の高い成長率であり、財政政策でそれに戻ることはできないという。
日本はそういう金融危機を(先進国では最初に)1998年以降に経験したが、そのとき起こったのはリチャード・クー氏のいうバランスシート不況(企業の貯蓄過剰)だった。「資金繰りが行き詰まると会社がつぶれる」という中小企業の萎縮だった。銀行の取り立てで現金が足りなくなって従業員に払う賃金がなくなるのを避けるために、銀行預金を手元に残したのだ。
これに対してアメリカ企業の投資不足(資本過剰)の最大の原因は、製造業の黄金時代が終わり、IT(特にソフトウェア)が成長のエンジンになったことによる宿命だ、というのがゴードンの分析である。実物資本は過剰だが、資本収益率は高い。
90年代以降のグローバル化の中で、アメリカの製造業は製造部門を中国にアウトソースして水平分業で収益を上げた。スティーブ・ジョブズが1996年にアップルに復帰したとき、アメリカ国内の工場をすべて売却してソフトウェアに特化したが、ソニーにはそ
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