企業と聞くと、CMやマスコミなどで話題になっている大企業の名前が思い浮かぶと思いますが、実際に日本経済を支えているのは多くの中小企業であり、全体の9割以上を占めています。
しかし、中小企業数は減少傾向にあり、存続に関して屋台骨が揺らいでいる企業が多くあります。
その大きな理由の1つに“事業継承ができていないこと”が挙げられます。
今回は事業継承問題の背景と解決策について解説します。
中小企業を取り巻く厳しい環境
中小企業を取り巻く環境には厳しいものがあります。
深刻な人手不足や、AIなどの新技術発展による産業構造変化への対応など、経営課題は多岐にわたりますが、最も大きな問題は、後継者不在に直面していることです。
中小企業の経営者は高齢化の傾向にあり、60代から70代の割合が高くなっています。
経営者年齢の最多層は、1995年は47歳であったのが、2015年は66歳です。経営者の年齢を考えると、そう遠くない将来に事業承継をおこなう必要があります。
しかし、まだ後継者がいないという方の割合は、経営者が60歳以上の場合、約50%にものぼっています。
当然ながら、後継者が確保できない企業は休業・廃業などを余儀なくされることとなります。
中小企業庁のデータによると、休廃業・解散企業の経営者年齢構成比の変化を見た場合、60代以上の経営者の割合は、2008年は約71%に対して2017年現在約84
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