偏差値が生み出した悪影響は計り知れないものがあるかもしれません。ごく一面から見た人間の能力を数字で評価することにより、個々人にレッテルを張るからでしょうか?
写真AC:編集部
例えば模試を受け、ある教科だけがいつも成績が悪いとすれば「俺はこれ、苦手」という意識を植え付けてしまいます。苦手なのでいくら勉強しても頭に入ってこない、そして好きな教科だけ勉強するようになる、という循環に陥ります。
東京に行くと経営する塾に行きます。この塾は生徒が各々コンピューターのソフトと対面し、音と画面で学ぶような仕組みになっています。そこで子供たちがどのように勉強するか、後ろから見ていると大体、苦手教科はやっているふりで画面を見ながら目が滑っていたり、設問に対して間違っていてもなぜ間違ったかを見ずスルーしてしまう子が多いのです。これではできるわけがありません。
ある生徒は算数がとても苦手でした。そこで画面の設問に対してどうやって解に導くか、紙と鉛筆で書きながら教えました。何度か同じような問題を繰り返し、紙に書き、手で計算してそのプロセスを覚えさせると不思議とすらすらと解けるようになります。つまり、ちょっとしたことに引っかかっていただけなのですが、それを取り除いてあげる人がいなかった、それだけの話です。この生徒はその後、算数全般が苦にならなくなります。つまり、苦手意識が解消したのです。
日経に「キセキの高
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