開高健「ずばり東京」。
ずばり東京 (文春文庫 (127‐6))
1963年から64年にかけて1年半、週刊朝日に連載されたルポ40話。
東京五輪の前夜、怒声と煙に沸き返る盛り場、槌音高らかな建設現場、静かなる昼下がりの畑。
東京が脈動している。
なまめかしくも、筋肉をみせびらかす、若い東京が。
なんとも魅力的な半世紀前の都市。
闇に湿った場末と、ぎらぎら容赦ないお天道さま。
安化粧まみれの女、戦後20年立ち直れない老人、上京まもなくして夢をすり減らした工員。
新宿の深夜喫茶、後楽園の運転手、晴海の解体屋、錦糸町の交通裁判所。
練馬の百姓、ああ上野駅、神宮の屋台。
田舎者の聖地。権力者の闘技場。欲望の交差点。
佃島の渡船場は自殺の名所。
家康が摂津の漁師を連れてきて開いたので、地元ことばは「けつかる」大阪弁だ。
もうそんな佃島はない。半世紀前は、江戸があった。
浅草の演歌師は「日清談判破裂して」を歌う。
都内には1000人の流しがいた。カラオケで失せた。
隅田川向こうの紙芝居。テレビで失せた。
文京公会堂で開かれた自民党総裁選。
池田、河野、川島、三木、佐藤、藤山、岸、福田、石井という派閥乱立期。
カネをもらった派閥の数を表す生一本、ニッカ、サントリー、オールドパーなる用語が生まれた。
二世でない官僚派・党人派の叩き上げがむきだしの権力抗争を繰り広げた、エンタメ。
トルコ風呂編
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ずばり東京。
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