ブラックホール撮影の難しさとその解決手段
ブラックホールシャドウの画像(出典元:EHT Collaboration)
先日、国際プロジェクトである「イベント・ホライズン・テレスコープ」(EHT)がブラックホールシャドウを撮影することに世界で初めて成功したと発表しました。画像上の明るいリングのようなものがブラックホールの強い重力場に影響を受けて渦巻いているガスで、その中の暗い部分がブラックホールです。
そもそもなぜ今までブラックホールの姿を見られなかったのでしょうか。ブラックホールはとても小さいので、例えるならば地球から見て月の表面に置いてあるオレンジを撮影するようなものになります。今までの手法で最高の解像度で地球から月の表面を撮影したとしても、1ピクセルの大きさを実際の尺度に直せば、オレンジ150万個ぶんの大きさになってしまうほどの粗さでしか撮影できません。もし月の表面に置かれたオレンジ1つを撮影しようと思うなら、地球サイズの望遠鏡が必要になってしまいます。
そこで世界中に電波望遠鏡を設置し、正確に同時に測定することで巨大な仮想望遠鏡を作成するというプロジェクトがスタートしました。これにより、地上の観測装置としては最高の300万の視力を達成することができます。とはいえ観測データをそのまま見るだけでブラックホール が可視化できるわけではなく、観測データを画像化することによって初めて画
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