昭和の終わりとともに日本経済は、ジャパンアズナンバーワンとまで言われた絶頂から、失われた30年、長期停滞の平成時代を過ごした。景気循環だけを見れば、アベノミクスは戦後最長の好況をもたらしている体だが、所詮はドーピングめいた後ろめたさが付きまとう。
写真AC:編集部
平成時代は、IT革命の時代とも重なっており世界の産業構造が劇的に変化した時代でもあった。GAFAを筆頭にした新興プラットフォーマーの台頭や、中国をはじめとするかつて中進国以下だった国の急成長など、日本にとってはまるで他の星の出来事のようにさえ感じられる。なぜ、かつて輝きを放っていた日本の企業群は、停滞してしまったのだろう。
実際に、平成時代の多くの時間を企業活動の現場に身を置き過ごしてきた私自身としては、振り返るにキツネにつままれたような不可思議な気分さえある。もちろん、この時代とて日本の企業人たちは総じて勤勉で日々一生懸命に働いてきたことに間違いはないのだ。いやむしろ過労死が決して他人事と思えないほどに皆必死に働いてきた。
確か昭和の時代からバトンを受け、平成が始まり走り出したとき日本企業は世界のトップを走っていたはずではないか。それが、いざ平成から令和の時代にバトンを渡す段になってみると、多くの国に抜かれており、先頭集団に踏みとどまることにさえ汲々としているような状態だ。
「コンプライアンス」「ガバナンス」「IR」の
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