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「ノーベル平和賞」の未来を考えた

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2期8年間、ホワイトハウスの住人として大統領職を務めたオバマ前米大統領が先日、久しぶりにドイツを訪問した。トランプ現大統領が就任直後から前任者のオバマ政権時代の政策や協定をことごとく破棄するなど“オバマ消し”に腐心。その結果、前任者のオバマ氏の政治的功績は消滅の危機に陥っている。もはや「オバマ氏はどう考えているか」など聞く指導者は少なくなった。
▲マララさんと安倍首相の会談、2019年3月22日、首相官邸で(首相官邸公式サイトから)
欧州の政界は少し違う。オバマ氏を尊重する声は依然消えない。オバマ氏は2013年6月19日、ベルリンのブランデンブルク門前で「核兵器なき世界」の実現のために核兵器削減案を表明したことを記憶するベルリン市民もいるだろう。それに先駆けオバマ氏は大統領就任直後の2009年4月5日、プラハで「核兵器なき世界」をテーマに格調ある演説をし、同年のノーベル平和賞を受賞した。
欧州はオバマ政権時代、米国とは良好関係を維持、難問もなく無風状態が続いた。そこに不動産王のトランプ現大統領が登場、アメリカ・ファーストを標榜する一方、イランの「核合意」や地球温暖化防止の国際的枠組み「パリ協定」など多国間協定を破棄し、脱退した。マクロン仏大統領のようにトランプ政権に異議を唱える指導者も出てくるなど、欧米間はトランプ政権前のような友好関係一色といった雰囲気は完全になくなった。欧州連合

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