「政教分離」という表現は度々使ってきたが、「政経分離」という四字熟語は使用したことがなかった。韓国の文在寅大統領が対日関係で頻繁に使用する「未来志向の関係」という表現が実は「政経分離」を意味していることを知った。
▲「政経分離」で外国企業の投資を呼び掛ける文在寅大統領(韓国大統領府公式サイトから、2019年3月28日)
世界史を学べば、欧州の歴史では「政教分離」という表現が出てくる。国家と宗教の関係で、国家の宗教性の中立、独立性を意味する。その背後には、欧州でキリスト教会が国家の運営に干渉し過ぎ、影響を与えてきたことへの反省もあった。フランスのライシテから米国の憲法では国教を禁止するなど、さまざまな「政教分離」の形態がある。簡単にいえば、政治の世界に宗教は干渉しないこと、逆に言えば、「信教の自由」を政治の干渉から守るという狙いが含まれている。
それでは、「政経分離」とは何を意味するのか。ここは「政経分離」を主張する韓国の文大統領のスピーチから説明する方が理解できるだろう。
文大統領は先月28日、外資系企業の経営者を大統領府に招き懇談会を開いた。そこで大統領は日本の企業関係者に対し、「経済的な交流は政治とは別に捉えるべきだ」と主張し、「韓国大法院が日本の植民地時代に強制徴用された被害者への賠償を日本企業に命じた問題などで日韓関係は悪化しているが、これとは関係なく企業間では友好的な関係
コメント