ストライプのオムニチャネル戦略は、「EC化率を追わないデジタルシフト」を進めること
2018年にEC化率が10%台に達したストライプインターナショナル。ここ数年、デジタルシフトを推進してきたストライプは2019年、一転して「EC化率は追わない」という方針に切り替えた。
デジタルシフトは進めるが、EC化率は追わない……相反するように見えるこの方針転換が、ストライプが推進するオムニチャネル戦略の成功のカギを握っている。
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ストライプが考えるEC化率を追う弊害
EC化率をうたうことで、実店舗のお客さまをクーポンなどでやや強引にECへ誘導してしまうといった弊害が出てくる。実店舗とネットの両チャネルを利用されるお客さま、つまりオムニチャネルで商品購入するお客さまは顧客ロイヤリティが高いと言われるが、当社もその傾向が顕著。いま取り組んでいるのは、リアル店舗をお客さまのエンゲージメントを高める体験の場、ECを購入の利便性を提供する場と、使い分けしやすくすることだ。
こう話すストライプの執行役員である佐藤満氏(グローバルファッション本部 本部長)は、KPI(重要業績評価指標)にEC化率を入れる弊害をこう説明。重要視するのは、ネットと実店舗の両チャネルでLTV(顧客生涯価値)を向上させること、と強調する。
EC関連の部署では売上予算は設定しているものの、「例年の10~20%成長といった
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