3月25日の読売新聞朝刊(関西版・社会面)に「東芝監査法人に1兆円請求 105億から増額・・・巨額損失で株主訴訟」なる見出しの記事が掲載されています。
東芝広報公式FBより:編集部
個人株主の方が、東芝の不正会計を見抜けなかったとして金融庁から課徴金処分を受けた監査法人に対して、これまで105億円の株主代表訴訟による賠償請求を行っていました。しかし、その後に米国の原子力子会社問題が発覚し、東芝が1兆円以上の損失を計上したことから、原告株主は「東芝の早期公表を促さなかった監査法人も損失の責任あり」として請求額の増額を行ったそうです。
記事で紹介されている上村早大教授のコメントのとおり、会社で発生した損失には多くの要因があり、1兆円の請求額には根拠が乏しいと思います。おそらく、東芝と当該監査法人の間で責任限定契約が締結されていなかったので、このような超高額賠償請求となったものと思います。
ただ、(本件とは関係ないかもしれませんが)他の役員が、これを他人事として傍観しているわけにはいかないはずです。仮に数億円といった金額で監査法人の損害賠償責任が認められた場合には、責任限定契約を締結している社外取締役、社外監査役にも火の粉が飛んでくる可能性は否めません。
このブログを立ち上げた2006年当時にも、こちらのエントリーにおきまして、弥永教授の月刊会計監査の座談会記事を引用しながら話題にしまし
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