2015年3月26日の記事の再掲です。
石井孝明
経済ジャーナリスト
(写真)東北電力の新設の東通原発の原子炉格納容器
運転開始から40 年前後が経過している原子炉5基の廃炉が3月に決まった。関西電力の美浜1、2号機、日本原子力発電の敦賀1号機、中国電力島根1号機、九州電力玄海1号機だ。
これは40年を廃炉のめどとする国の原子力規制のルールを受けたものだ。ただしこの決定には問題がある。そもそも「40年廃炉ルール」は妥当か。そして規制委員会による、法律の運用は妥当かという2つの問題がある。
「寿命40年」に根拠なし
福島原発事故の後で「古い原子炉は事故を起こすのではないか」という不安が日本に広がった。そのために2012年(平成24年)に改正された原子炉等規制法において、原子力発電所の原子炉が運転できる期間を40は規定された。また原子力規制委員会の認可を受ければ、その期間を1回に限り20年を超えない期間で延長できるという。
今回は5 基の廃炉だが、今後もこれは続きそうだ。1970年代に建設された原子炉が今後、建設後40年経過することが増える。それなのに原子力規制委員会の、原子炉の新安全基準をめぐる審査の遅れが長期化して、一年に原発は数基ずつしか稼働しない可能性がある。そうした状況の中で、40年廃炉ルールは発電に占める原子力の割合を、さらに減らすであろう。
しかし「40年廃炉ルール」
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