MMTを提唱するケルトン氏(公式サイトより:編集部)
MMT(Modern Monetary Theory、現代金融理論)と呼ばれる理論が注目を集めているそうである。
MMTの提唱者の1人である、ニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授によると、ユーロという共通通貨があり、独自の通貨を持たないギリシャなどは、独自の判断で無制限の流動性供給を行うことはできない。それゆえデフォルトリスクがある。しかし、独自通貨を持つ米国のような国では、政府債務の増加がマクロ的な供給不足からインフレを起こすような場合でなければ、経済成長と雇用の増加が続いている限り、政府債務の増加自体は問題ないというのが、ケルトン教授の説明するMMTのコア部分だとか(3月8日のロイターの記事より)。
この理論は米国だけでなく日本の状況も意識したものではなかろうか。日本の債務残高はすでにGDP比で200%を超えている。日銀は大胆な金融緩和策として大規模な国債の買入を実施しており、年間の国債発行額を買い入れるといった財政ファイナンスに近い政策を行っている。それにもかかわらず、物価は上がらず、長期金利も日銀の政策で低位に操作されている。
これが永遠に続けられるとするのがケルトン教授の理論であろう。リーマン・ショックやギリシャ・ショックによって財政政策に限界が来て金融政策に比重が移り、金融政策も限界が見えたら今度は財政政
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