「もやもや」したら「そもそも」
久々の大阪。
明治生まれの料理研究家、魚谷常吉によれば
「近来東京に進出し、在来からある東京料理を脅かしている関西料理と称するものを、真の関西料理として取り扱うのはどうかと思う。これが東京にある以上、東京料理であって、強いていうならば、関西風東京料理と解するのが正しいのではないか」(『味覚法楽』魚谷常吉 著、平野雅章 編、中公文庫)
だそうで。
物流も情報環境も格段に発達した現代において、どこまでこの説が通用するかは謎ですが、やっぱり食道楽の本場に来ると、胸の高鳴りが止まりません。小さな割烹で出合った出汁巻きひとつ、しみじみ旨いのです。
土地に伝わる習慣という漠然としたテーマになりがちだった「東京料理と関西料理の違い」を、魚谷はいったん「江戸料理と大阪料理」に絞ったうえで、「材料」「風俗習慣」「料理人」という三つの視点から分析しました。彼の書いたエッセイはどれも、味覚という経験的なものを、クリアに解き明かしてくれます。
さてさて。
ぼくのように恥ずかしげもなく手口を公開している例外を除けば、同じ広告業界で働いている者同士、お互いの「思考のコツ」やその「共有の仕方」を知る機会は限られます。
ところが先日、株式会社フロンテッジで執行役員をしている林裕史さんが学生さん向けのセミナーで話しているのに立ち会ったとき、良いことを聞きま
コメント