聖職者の未成年者への性的虐待への対策をテーマにフランシスコ法王の掛け声でバチカンで開催されていた「世界司教会議議長会議」(通称「アンチ性犯罪会議」)は24日、ローマ法王フランシスコの閉幕の演説で4日間の全日程を終えた。
バチカンで開催された聖職者の性犯罪に関する「世界司教会議議長会議」風景(バチカン法王庁の公式サイトから)
同会議には世界から114人の司教会議議長のほか、修道院や教会関係者約70人が参加した。会議を総括した最終文書は作成されず、フランシスコ法王は、「聖職者の性犯罪予防」と「加害者の処罰」に関する司教への指針の見直しなどを約束して幕を閉じた。
聖職者の未成年者への性的虐待は今始まった問題ではない。アイルランド教会、ドイツ教会、米国教会、オーストラリア教会、ポーランド教会など欧米教会等で発覚した聖職者の性犯罪件数は数万件といわれているが、その多くは既に時効となっている。しかし、21世紀に入っても聖職者の性犯罪は起きている。ただ、教会上層部が性犯罪を犯した聖職者を人事という形で隠蔽してきたこともあって、教会法に基づく公式の裁きを受けた件数は少ない(「バチカンの『積弊清算』の行方」2019年2月19日参考)。
フランシスコ法王は会議の開催前、司教会議議長に聖職者の性犯罪の犠牲者と会い、その苦境を聞いてくるようにと課題を与え、会議初日の21日には協議のために21項目の枠組みを
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聖職者の性犯罪は撲滅できるか
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