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毎月勤労統計の「抽出率逆数」の謎

経済ニュース
厚生労働省の毎月勤労統計調査の不正事件で、政府は予算案を修正する異例の閣議決定を行った。厚労省の発表によると、従業員500人以上の企業について2004年以降、他の府県では全数調査を求める一方、東京都だけはその1/3の企業の名簿で抽出調査をしていた。
これ自体は大した問題ではない。抽出した企業の数を3倍して集計すれば、精度は落ちるが、サンプルに偏りがなければ平均賃金は大きく変わらない。ところが厚労省は東京都の抽出調査を全数調査と偽り、他の県の全数調査の数字と単純に合計したため、賃金の高い東京の比重が下がり、全国の平均賃金が過少に集計された。
厚労省の「再集計」によると誤差は平均0.6%程度だというが、影響はそれにとどまらない。昨年1月にも「賃金の伸び率が急に上がった」という疑問が出ていた。朝日新聞によると、賃金上昇率は昨年6月に前年同月比3.3%と、入れ替えがなかった事業所に比べて2%ポイントも高い伸びを示した。これは東京都の抽出調査の結果に抽出率逆数をかけてデータを復元したものだった。
朝日新聞より
厚労省の追加資料に、産業分類ごとの逆数が出ているが、1倍から12倍までアドホックに逆数を設定している。今から遡及して集計するにはこれを掛ければいいのだが、この逆数表が2010年以前については存在しないという。
だから0.6%というのは今ある資料から推定した数字で、2004年から2010

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