「利き酒」というと日本酒を飲んで、味覚を比べるという意味になります。
以前体験した「香道」は、香木の香りを「聞く」(香ることを聞くと言います)ことによって比較をするということです。「香道」を体験した仲間での議論から、日本酒にも香りがあるから、この香りを「聞く」という比べがあっても面白いのではないか。それが「和酒を聞く会」として具現化しました。もちろん、日本酒の香りを比べることが中心であるけれど、最後は舌で味合う事も行います。
タイトルは「春待の宴」。その意味合いは、師走を典雅に「春待月」と言い、残り少ない「し果つる月(師走)」のあわただしさではなく、近づく佳き新春を待つ月と、文人茶人香人は言ったそうです。
年のうちに春はきにけりひととせを去年とやいはん今年とやいはむ(在原元方 古今和歌集)
会のプログラムは3部構成で、座学「和酒物語」、聞酒「壱之席 春待月(五酒)/弐之席 春立(五酒)」、唎酒「解題 十酒」です。座学では、清酒の歴史を学びました。
紀元前4世紀頃、稲作が日本に伝わり、それに伴い米を原料とする酒造りが始まったと言われています。奈良・平安時代には、宮廷に造酒司(さけのつかさ)という組織が置かれ、行事に麹を使用した米の酒が供されていたそうです。鎌倉から室町時代にかけては、寺院や酒造業者による醸造が盛んになり、課税源として重視したそうです。江戸時代には、現在の酒造技術が築
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